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黄斑疾患についてIntroduce OCT

三次元画像解析検査(OCT)で分かること

OCTとは?

網膜観察を非接触、非侵襲で行うため、患者様への負担も少なく検査できます。
7ミクロン以上の高解像度で画像を描出することにより、黄斑部疾患や各種網膜疾患の検出、早期発見、経過観察を行うことができます。網膜の断層を確認できることで3次元的に病態を捉え、病態の大きさ、位置、形状、分布等を把握することが可能となる医療機器です。
眼底検査や眼底カメラ撮影など従来の診察だけでは解りにくい網膜(カメラに例えるとフィルムの部分)の状態、特に黄斑部(網膜で最も視力に関係する大事な部分)の断面を観察することにより、網膜疾患や黄斑部疾患の早期発見、その治療方針の決定や治療効果の判定に役立てることが出来ます。OCT検査が力を発揮する代表的な疾患は、「加齢黄斑変性」「黄斑上膜」「黄斑円孔」「黄斑浮腫」などです。

<正常な眼底>

加齢黄斑変性症

どういう目の病気?

加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)は、加齢が原因で起こる眼の病気ですが、早い方では40代でも発症します。 特に男性に多いと言われており、欧米では失明の主要な原因として以前から知られていましたが、日本では、失明という深刻な事態を招きかねない病気であるにもかかわらず、一般にはまだ良く知られていません。 加齢黄斑変性における失明は「社会的失明」と呼ばれ、中心の視力障害をきたすものの、光を全く感じられなくなるわけではありません。高齢化に伴い増加しつつある現代的な病気です。

黄斑上膜

どういう目の病気?

網膜の中心部を黄斑部といい、網膜の中に物体を特に鮮明に感じる事ができる大切な場所があります。この黄斑部の上に膜ができ る病気のことを言います。

どんな症状?

物を見る中心に膜ができるので視力低下が生じます。その他、物がゆがんで見えたりする場合もあります。

治療方法は?

お薬などで治すことが出来ないので、手術によって黄斑上膜を除去する以外に治療方法はありません。すぐに手術をしなければなら ないというわけではありませんが、視力低下・ゆがみ等の自覚的症状が強くなったときに、症状の改善のため硝子体手術を行います。 放置しておくと黄斑部に強いしわ・むくみ・あな(円孔)を作ることがありますので、手術をしない場合でも定期的な眼科受診をし、黄 斑上膜の状態を検査して行く必要があります。

黄斑円孔

どういう目の病気?

中心窩と呼ばれる所の網膜に穴(孔)があいてしまう病気です。穴自体は直径1ミリメートルに満たないとても小さなものですが、最も 視力が鋭敏な部分にできるため、大きな影響が現れます。完全な穴が形成されてしまうと、視力は0.1前後(近視などは矯正した状態 で。以下同様)になってしまいます。

どんな人に多い?

高齢者、とくに近視の人に多く、この病気は硝子体の収縮が関係して起きるので、後部硝子体剥離が起こる60代をピークに、その前 後の年齢層の人に多発します。とくに、硝子体の液化が進みやすい近視の人や女性に多い傾向があります。

どんな症状?

初期の症状は、視力低下と物のゆがみです。進行すると見にくい部分が大きくなり、視力の低下が進みます。痛みなどはなく、初期段 階の視力はまだ0.5程度はあり、ふだんは両眼で見ているので気付かない事もあります。

治療方法は?

硝子体手術により円孔を閉鎖します。早期であれば視力もかなり改善します。 黄斑円孔は、少し前までは治療法がありませんでした。 しかし今では手術によって、視力を取り戻せるようになっています。 まず後部の硝子体を切除します。硝子体はそれほど重要な役目 がある組織ではないので、切除しても視覚に直接的な影響はありません。次に、眼球内部にガスを注入します。手術は基本的には、こ れで終りです。術後は円孔周囲の網膜がガスで抑えつけられている間、円孔が小さくなっています。すると、円孔中心に残っているわ ずかな伱間にグリア細胞という、周囲の細胞をつなぎ合わせる働きをする細胞が現れ、円孔を完全に塞いでくれます。ただし、ガスは 気体ですから、つねに眼球の上に移動してしまいます。ですから術後しばらくは、ガスが円孔部分からずれないように、うつ伏せの姿 勢を保つ必要があります。これを守らないと、再手術が必要になる確率が高くなります。

黄斑浮腫

どういう目の病気?

黄斑浮腫は病名ではなく、状態を表す言葉です。目の中の黄斑という部分は網膜の中心にあり、視細胞が密集している一番敏感な部 分です。ここに液状の成分がたまり、浮腫(むくみ)を起こして視力が低下する病気のことを言います。中心性網膜症や高血圧網膜症、 網膜動脈瘤、糖尿病網膜症、網膜静脈分閉塞症など、様々な病気が、黄斑浮腫の原因になります。これらの原因から視力にとって最 も重要な部位である黄斑部に浮腫が生じることを言います。

どんな人に多い?

糖尿病などで黄斑部の毛細血管が傷つけられると、血液中の水分が漏れ出して黄斑部にむくみが生じます。網膜症による失明予防の ために行った光凝固をきっかけに、黄斑浮腫が起きる方もいます。

どんな症状?

視力低下、ゆがんで見える(変視症)、ぼやけて見える(霧視)などです。

黄斑浮腫の検査は?

視力測定、眼底検査のほかに、OCT(光干渉断層計)の撮影が役立ちます。視力は、症状の経過観察における指標として重要です。眼 底検査では、黄斑部の網膜の上にある膜やそれにより生じた網膜の引きつれ(しわ)を観察します。これらに加え、OCTでは、網膜の 断層像がとれます。OCTでは、浮腫の形状や範囲をより正確に観察することができます。

治療方法は?

まず、上述のような原因となる病気の治療が必要です。 それにより浮腫がすぐに解消する事が先決ですが、なかなか解消せず浮腫が 続くと、だんだん網膜の神経が傷み、機能が戻らなくなってしまうことがあります。一つは局所の浮腫をとる働きがあるステロイドの 局所注射があります。そこで、比較的長い期間効果を持続するケナコルトというステロイド製剤を、結膜下に注射します。ときに、この 薬のために眼圧が上がることがありますので、注射をしたら約一週間後に眼圧測定のために来院していただく必要があります。また、 眼圧が上昇したら、そのための治療(主に点眼薬)をする必要が出てきます。この方法で効果がない場合には、硝子体手術を行うこと になります。いずれも、治療後直ちに見えるようになるわけではなく、時間をかけてゆっくり回復を待つ必要があります。発症から治 療までの時間が長いと、回復に限度があることもある為、黄斑浮腫の原因となる病気の状態によっては、再発を繰り返すことがある ので早めの受診をおすすめします。